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漢方について

猛暑去り、残ったものは夏疲れ

2021.08.31

連日の猛暑だった夏から、ようやく朝晩の涼しさを感じはじめたこの頃、暑さから解放されホッとしたいところですが、何をするにも億劫でやる気が出ない・体が重だるい・食欲がないなど、夏の疲れを引きずっていませんか?まずは猛暑の夏をどう過ごしたか思い出してみましょう。

夏に汗をたくさんかいた人

 夏に汗をかくのは外から受けた蒸し暑さを体から追い出すためで、正常な防衛反応です。しかし汗は水分とともにミネラルなども含むので、今年のような連日の猛暑では必要以上に汗をかき、体力を消耗します。

 この夏よく汗をかいた人、汗をかいても水分とともに栄養やミネラルを補わなかった人は、エネルギーと潤いの消耗が疲れの原因と思われます。動くほどに疲れがひどくなる・空虚でうつろな感じがする・動悸・息切れ・小便の量が少ない、お通じが硬いなどの症状が現れやすくなります。

 ブドウや梨は潤いとエネルギーを補ってくれます。漢方薬では、麦味参顆粒・西洋人参・天王補心丹・牡蠣肉エキスなどでエネルギーや潤いを補いましょう。食事は潤いを消耗するスパイシーなものを避けて消化のよいものを。長風呂や運動のしすぎによる発汗も禁物です。

クーラー大好きの人

 次は猛暑を避けて極端にクーラーの効いた部屋で過ごし、汗をかかなかった人です。クーラーは、体の表面は冷えて快適なようですが、その冷えで皮膚の表面が凍えて汗をかけなくなります。すると体内の熱を発散できず、体の中にムンムンと余分な熱がこもってしまいます。すると、体の中が熱い感じがする・喉が渇いて冷たいものをゴクゴク飲みたい・小便の色が濃い・イライラ・寝つきが悪いなど生じます。

 また、体内にこもった熱は体のエネルギーや潤いも奪うので、夏の疲れを助長します。まずは余分な熱を発散しましょう。紫蘇・白ネギは温める食品ですが、体表を開き体内の熱を発散するので、結果的に涼しさをもたらしてくれます。お薬では香蘇散や逍遥顆粒などが熱やイライラを発散してくれます。お風呂は長湯せず、体表だけを温め汗を流す程度にしましょう。エネルギーと潤い分を補給することもお忘れ無く。

冷たいものの摂りすぎ

 最後に冷えたビールやお茶・冷たい麺類・お刺身など冷たいものをよく飲んだり食べたりした人です。暑さ対策に水分補給や涼をもとめることも大切です。しかし、体温より低いものは吸収が悪いので、ゴクゴク飲んでも渇きはとれません。却って胃腸が冷えて営養や潤い分の吸収が悪くなります。

 すると栄養不足の上に、代謝できない余分な水分が体に溜まり、体が重だるい・むくみ・食欲不振・軟便・下痢・めまいなどを生じます。胃腸を温め水分代謝を促す生姜・みょうが・エビ・こんにゃくなどを摂ると良いでしょう。お薬では、勝湿顆粒・健胃顆粒・健脾散などを使います。

 夏疲れを放っておくと、秋冬の体調に響きます。早めに対処しておきましょう。

メモ帳

お薬の読み方

・麦味参顆粒・・・ばくみさんかりゅう
・西洋人参・・・せいようにんじん
・天王補心丹・・・てんのうほしんたん
・香蘇散・・・こうそさん                                         ・逍遥顆粒・・・しょうようかりゅう
・勝湿顆粒・・・しょうしつかりゅう
・健胃顆粒・・・けんいかりゅう
・健脾散・・・けんぴさん

 

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