新年を迎えて1ヵ月が経ちました。春の花粉シーズンの対策にはまだ早いと思うかもしれませんが、今回は、毎年つらい症状を少しでも軽くしたい人のための体質改善についてです。
花粉症の人には、「皮膚・粘膜が弱い」とうい特徴があります。
日常の生活でもこんな事が思い当たりませんか?
□ 風邪をひきやすい
□ 年中鼻がぐずぐずしやすい
□ のどが弱く、すぐ痛くなる
□ 皮膚が弱くジンマシンなどが出やすい
□ 前より寒がりになった
□ 冷房や冷たい風が苦手
□ 汗をかきやすい
□ もともと体温が低いほうだ
これらの症状は、皮膚・粘膜が弱いため、外からの刺激を受けやすいと同時に、内にある熱エネルギーが放出してしまうことによって現れます。1つでも思い当たる人は、皮膚・粘膜が弱く、外からの刺激を受けやすいはずですから要注意!ほとんどあるという人は、もうボロボロです。あっという間に体を侵されてアレルギー症状を起こしてしまいます。
自分の家の防犯で言えば、窓や玄関のドアに鍵がおらず、簡単に泥棒に入られ盗み放題の無防備状態です。ちゃんと防犯をすれば泥棒は入れず被害もでません。花粉による被害を出さないように、皮膚・粘膜を強化してからだの防犯をしましょう。
中医学では、組織・器官の病気は、それを司る臓腑と密接な関係があるとしています。皮膚のごく表面は皮毛(ひもう)といい肺と関係があり、やや内側は肌肉(きにく)といい胃腸(脾)と関係があるとしています。すなわち皮膚・粘膜が弱いことでおきる花粉症の根本原因は肺と胃腸の虚弱にあるということです。肺も胃腸も体の内側に畳み込まれた皮膚と考えれば、納得できます。肺が弱いと同じ呼吸系の鼻・気管支も弱くなります。また、胃腸が弱いと体力・抵抗力ともに低下します。ですから、丈夫な皮膚・粘膜を作るためには、肺と胃腸の働きを強化します。
「衛益顆粒」(えいえきかりゅう)は、肺と胃腸のはたらきを高め皮膚・粘膜を強化する生薬「黄蓍」(おうぎ)を中心とした処方で、花粉症や、カゼ・ぜん息などの予防によく用いられます。この他、「腎」の強化も大切です。腎(副腎などホルモン系も含む)は体温・免疫・ホルモンの調節などにも関わります。
現代医学ではホルモン剤を投与するような病気の治療に、漢方では腎を強化するお薬を使用します。花粉症だけでなく、アトピー・ぜん息・低体温・不妊症発育不良・慢性疲労いう人は、腎のはたらきも強化することが大切です。
「双料参茸丸」(そうりょうさんじょうがん)、「参馬補腎丸」(じんばほじんがん)、「八仙丸」(はっせんがん)などから、自分に合うお薬を選んで衛益顆粒と併用すると良いでしょう。
最後に、大事な生活の養生法も紹介します。過労・睡眠不足・胃腸を損ねる脂っぽいもの・冷たいものの飲食・寒い日の薄着などは抵抗力を弱めます。改善どころか、更に皮膚・粘膜を弱くします。花粉症に縁が無い人も注意しましょう。
メモ帳
症状が現れた時の対応
皮膚・粘膜の強化はすぐにはできません。対症療法として良く使用する漢方薬などを紹介します。
■透明な鼻水が多い・・・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
■鼻づまり・・・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)、鼻淵丸(びえんがん)、イーパオ
■目の痒み・・・天津感冒片(てんしんかんぼうへん)、涼解楽(りょうかいらく)、瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
■頭がぼっとする・・・頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)、香ロゼア