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vol4 春号(最終回)腰痛で悩んでいませんか?

2010.04.01

腰痛の原因もいろいろ。

 腰痛のパンダ 「アツツツッ・・・」中高年の方の多い悩みに、慢性的な腰や膝の痛みがあります。病院に行っても「歳だから・・・」と言われるだけで、湿布薬や痛み止めを一時しのぎに使う方も少なくないようです。
腰痛パンダ
 漢方的に考えると、歳だからと言われる通り、老化による腰や関節の弱りが根本原因です。そして、痛みを悪化させる誘発原因として、冷えや湿気などが考えられます。

 こうした根本原因・誘発原因に合わせて漢方薬を使い分けて治療を行います。

先ずは痛みを和らげる。

 慢性の腰痛の根本的な対策は足腰を丈夫にすることですが、今すぐ丈夫にという訳にはいきません。痛みが激しい時には、先ずは誘発原因を取り除いて痛みを和らげます。例えば、寒い日や雨の降る日になると痛むという方なら、冷えや湿気を取り去り、血行を改善して痛みを和らげる疎経活血湯(そけいかっけつとう)などを使います。お風呂に入るなど体を温めると楽になるというタイプに適したお薬です。

痛みが落ち着いたら、足腰強化のための体質改善。

 痛みが落ち着いたら、足腰を強化するお薬で体質改善を行い根本原因にアプローチします。痛みの起きる場所は関節で、関節は骨・筋や靱帯・筋肉からできています。漢方では、骨は腎、筋や靱帯は肝、筋肉は胃腸というように、筋骨の状態はそれぞれ対応する内臓と密接な関係があるとしています。加齢などで内臓のはたらきが低下すると骨・筋・筋肉なども弱り、痛みがおきるので内臓を強化して足腰を丈夫にします。

①骨

 骨の上が痛む・関節が曲がらない・骨粗しょう症などに、排尿異常・物忘れしやすい・耳が遠いなどを伴う・・・腎のはたらきを補い骨を強化する海馬補腎丸(かいまほじんがん)、六味地黄丸(ろくみじおうがん)などを使います。

②筋・靱帯

 関節が伸びない・こむら返り・手足が痺れるなどに、目の疲れ・めまい・立ちくらみなどを伴う・・・肝のはたらきを補い、筋・靱帯に弾力を与える杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)などを使います。

③筋肉

 長く歩けない・転びやすい・足元がおぼつかないなどに、食欲がない・疲れやすい・軟便や便秘などを伴う・・・胃腸のはたらきを補い筋力を強化する補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などを使います。

④全体的に弱っている場合

 骨・靱帯・筋肉を丈夫にするとともに代謝を促進して痛みを和らげる独活寄生湯(どっかつきせいとう)がおススメです。老化を止めることは出来ませんが、生活の質を保つことは可能です。足腰を強化するには、筋骨を養う「肝腎かなめ」の「肝」・「腎」と、これらに栄養を補給する「胃腸」を強化することがポイントです。

 連載は今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。

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