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漢方について

髪のパサつき・貧血の症状 女性40代前半

2009.02.16

悩み

 髪がパサついて気になる。疲れやすく、立ちくらみなど貧血の症状がある。 目も疲れやすい(事務の仕事でパソコンをよく使う)・手足が冷えやすい。時に頭痛がする。生理痛が毎月ある・生理前にイライラ、肌が荒れて吹き出物が出やすい。子宮筋腫の治療歴あり。

お薬

 ①からだの気(エネルギー)と血液を補う薬
 ②瘀血(おけつ:血液の滞とどこおり)を改善する薬
 ③気の巡りを整え、ストレスを発散する薬

 以上3種類 1ヶ月分 約1万2000円

経過

 1ヵ月後、「からだが変わってきたのが良く分かります。体調が良くなったせいか、髪も少ししっとりしてきたみたいで、まとめやすくなってきました。」と明るい表情で話されました。体や目の疲れも軽くなった。手足の冷えもそれほど気にならない。頭痛なし。生理痛も今回は軽かった。生理前の肌荒れはだいぶ良くなったが、吹き出物が少し出るとのことで、余分な熱をとるハーブ茶数日分を同処方に加えて継続。

 3ヵ月後、髪にツヤがでてきたのがハッキリとわかる。そのほか、生理痛などの悩みの症状も無くなり体調はすこぶる良い。今後も良い体調の維持に服用を続けたいと話されて、現在も処方を調整しながら継続していただいています。

メモ帳

 中医学では、髪は「血余」(けつよ)と呼ばれ、からだで使われる血液の余りが髪を栄養すると考えます。過労や悩み事・睡眠不足・パソコンなどの目の酷使は血液を消耗し、立ちくらみ・手足の冷え・目の疲れ・肩こり・頭痛や生理痛などを引き起こします。髪にまわす血液の余りがなくなると、髪がパサつく・細くなる・抜け毛・白髪などが現れるようになります。

 特に女性は、月経・妊娠・出産・授乳などで血液を消耗するので、髪がダメージを受けやすいと言えます。からだの血液や気(エネルギー)が不足すると血液の流れが悪くなります。血液の滞り(とどこおり)は瘀血(おけつ)と呼ばれ、頭痛や生理痛など痛みの症状を引き起こすだけでなく、子宮筋腫・内膜症などの病気の原因にもなります。今回の方は血液と気の不足に加え、さらに血行不良もある状態でしたので、気血を補うとともに、血行を改善する薬を服用してもらいました。

 また、生理の時は普段より血液を消耗するので気の巡りも悪くなります。イライラなど情緒が不安定になりやすく、ストレスが溜れば熱を生じて吹き出物が現れたりします。こうした生理前のトラブルの改善に、気の巡りを整える「肝」の働きを補う薬を加えました。

 最後に、髪には血液のほかに、ホルモンの関わりもあります。中医学では、髪をつかさどる臓腑は「腎」(副腎などホルモン系も含む)と考えます。「髪は腎の華」と呼ばれ、腎が衰えるとホルモンの分泌が低下して、白髪・脱毛・薄毛などを生じます。腎のパワーは年齢とともに落ちてくるので、ある程度の年齢になっての白髪や薄毛は自然です。しかし、まだ若いのに白髪が増えるなど年齢に不相応な場合には、腎のパワーが落ちて老化症状が進んでいます。腎の働きを強化する薬を使います。

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