悩み
ふだん仕事でよくパソコンを使うせいか、目が疲れやすい。ここ1ヵ月ほど、目の疲れを強く感じ、目がショボショボする。疲れがひどい時は目を閉じて横になりたくなる。点眼薬を点すとその時だけはスッキリするが、疲れ目は改善しない。目の疲れに伴って肩がこり、たまに頭痛がしたり、イライラしたりする。 その他、からだも疲れやすく慢性疲労のよう、立ちくらみ、手足の冷え、髪がパサつく、乾燥肌、生理不順・生理痛など。
お薬
①からだの血液とエネルギー(気)を補うお薬。
②滞った血液をサラサラにして血行不良を改善するお薬。
以上2種類を併用で1ヶ月分、約1万円(1日あたり約350円)
経過
1ヵ月後、「おかげさまで目の疲れがだいぶ楽になりました。そのせいか肩や首のコリも軽くなって嬉しいです。目だけでなく、からだ全体の疲れも取れて楽になってきた感じがします。」と経過は良好。頭痛やイライラする事も減った。立ちくらみも無い。手足の冷えもそれほど気にならない。同処方で継続。
3ヵ月後、 目の疲れは感じない。パソコンでの仕事量が多い時に少し疲れを感じる程度になる。その他の症状も改善。生理痛は無くなり、生理周期も正常に戻る。
その後も良好な体調の維持を目的に、処方を調整しながら服用を継続中です。
メモ帳
現代の生活ではパソコンや携帯電話などで目を酷使します。漢方では目を使うことで血液が消耗されると考えます。人のからだが正常な働きをするには十分な血液が必要です。もちろん目の働きも同じです。長時間、(特に夜間)パソコンで目を酷使すると、血液がどんどん消耗され、血液不足の状態が長く続くと、目に十分な血液(栄養)が行き渡らなくなって正常な働きができなくなります。
すると、目がショボショボしたり、乾いたり、かすんだり、大変疲れやすくなります。脳で血液が不足すれば考えることができずイライラします。さらに血液不足が進めば血行障害を引き起こし、肩・首のコリや頭痛などを生じます。ですから、目の使いすぎで血液を消耗したタイプの疲れ目には、血液を補う婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)をよく用います。
また、血液を貯蔵して、浄化し、目をはじめ全身に行き渡らせているのが肝蔵です。漢方では「目と肝」は密接な関係があるとしています。疲れ目・ドライアイなど目のトラブルには、肝臓の負担も軽くしてあげることも大切です。漢方薬では、肝に栄養を与える杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)なども症状・体質にあわせてよく用います。
ふだんの養生として、長時間や夜間の目の酷使を避け、こまめに休憩をとる。夜は零時前には就寝する。ニンジン、ひじき、あさり、小松菜、ナツメ、レバー、牡蠣などの目によい食べ物を摂る。目を酷使して目が熱く感じる時には、菊花茶でクールダウンするのがおススメ。 疲れ目を解消するクコの実を一緒に摂るとさらに効果的です。