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漢方について

vol10 お年寄りと子どもは仲良し

2007.01.01

・・・発育・成長の遅れ、老化現象

 お年寄りの教えに小さな子がうなずく様子は微笑ましいですね。どちらも生活のペースがゆっくりで、仲良く気が合っている感じです。実はお年寄りと小さな子はとても似ています。尿や便をコントロールできないのでオムツをし、足下がおぼつかずよく転び、言葉もあやふやで覚えられず、抵抗力が弱くすぐカゼをひき、歯がなく消化の悪いものが食べられないなど、共通点がいっぱいです。

 漢方では、人の発育成長と老化には「腎(腎臓の他、副腎などのホルモン器官も含まれる)」の働きが関わるとしています。腎は骨を生み、骨は髄を生じると言います。骨は足腰を支え、骨の余りが歯になります。髄の中心となるのが脳で言語や記憶に関わります。また腎は大小便の排泄・病気への抵抗力にも密接に関わっています。

 小さな子はまだ未熟、お年寄りは既に老化と原因は違いますが、どちらも腎が弱いので同じような現象が見られます。ですから、ともに六味丸(ろくみがん)・参馬補腎丸(じんばほじんがん)など補腎薬と呼ばれるタイプの漢方薬を使います。

 またともに胃腸がデリケートなので食べ物も要注意です。おじいちゃん・おばあちゃん、孫が可愛いからと添加物の多いスナック菓子やジュースなど自分があまり欲しくないものばかり与えてはダメですよ!お年寄りが普段食べないものは、お孫さんにも悪く、胃腸に負担をかけ発育を妨げます。主食はお米、味噌汁に根菜の煮物や魚など、おやつには蒸かしたサツマイモなど昔ながらのものもお孫さんは意外に喜びます。仲良く一緒に食べながら自然の味を教えてあげてはいかがでしょう。

パンダの言い忘れ

 「腎」の働きを強化する補腎薬(ほじんやく)は、子どもには発育・成長を促すために使われ、お年寄りには老化による症状を軽くするために使われます。どちらもお薬のタイプも似ていて仲良しです。また補腎薬は、40代あるいは30代後半からの加齢による老化症状の予防によく使われます。腎を強化することは老化のスピードを遅らせることに繋がるからです。最近よく聞くアンチエイジングも、漢方では昔から当たり前に行われていることです。

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