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ちょっと待った!その舌の苔 取らないで!!

2018.08.31

―― 舌の苔で体の水分チェック ――


今年の夏は本当に暑かったですね!皆さんどう過ごされましたか?
熱中症を心配して、どうしても冷たいものや水分をせっせと摂ってしまいますよね。
その結果、体や頭が重だるいとか、食欲が落ちて夏バテ気味という方はいませんか?
お腹を冷やすと胃腸の働きが低下して、体に余分な水分が溜まるようになります。
では、自分の体に丁度良い水分の量はどのくらいなのでしょう?
それを知る良い方法は、舌の状態を見ることです。

 

 

鏡に向かって自分の舌をベェーッと出してみてください。
舌の苔が体の水分量を表しています。
丁度良い水分量の舌は、白い苔がシルクのように薄くかかっていて、舌のピンク色が透けて分かる状態です。

最初に、舌を見るときの注意です。
舌を磨いて苔をとっているという方が時々いますが、
舌を磨くと本来の状態が分からないので、磨かないで見て下さい。
舌を見るときには、飲み物の色(コーヒーなど)が付着していることがあるので要注意です。

 

それではここからは簡単に舌のパターンを4つあげてみます。

① 体の水分が多い状態の舌

白くぶ厚い苔がベットリと舌の上にのり舌の色がよく見えません。
梅雨時の庭に苔が増えるように、人の体も水分が多くなると苔が厚くなります。冷たいものや水分をとり過ぎに注意しましょう。

出やすい症状:
頭や体が重だるい・むくみ・食欲低下・下痢や吐き気など
おススメ処方:
「勝湿顆粒」(しょうしつかりゅう)で余分な水分を取り除きましょう。

② 厚い苔でも苔の色が黄色い方

水分が多いうえに余分な熱がこもっています。水分のとり過ぎとともに、脂の多いもの・スパイシーで辛いもの・カロリーの高いものを控え、野菜をたっぷりとるようにしましょう。

出やすい症状:
胃腸障害・イライラ・憂うつ・不安感・寝つきが悪い・不眠・頭がボーっとするなど。
おススメ処方:
「温胆湯」(うんたんとう)で余分な水分と熱を取り除きましょう。

③逆に苔が全くない、あるいははがれ落ちている方

体の水分が不足している方です。
水分が足りないと体が乾燥し、オーバーヒートして熱くなります。

出やすい症状:
のぼせや火照り・口や喉の乾き・ドライアイや乾燥肌・手の平や足の裏が熱い・寝汗など。
おススメ処方:
「健脾散」(けんぴさん)、「麦味参顆粒」(ばくみさんかりゅう)、杞菊地黄丸(ごぎくじおうがん)などで体の潤いを補いましょう。

④ 最後に、苔ではなくて舌の形をみて下さい。

舌のふちがきれいなカーブの曲線の方は正常ですが、凸凹あるいはギザギザと波打っていませんか?これは舌がむくんで歯の内側に当たり歯型が舌についたためです。
この舌は胃腸が弱くエネルギーが作れない体質に多くみられます。胃腸が弱いと水分代謝が上手くできません。健康な人と同じ量の水分をとってもむくみやすいので控えめにとりましょう。

出やすい症状:
むくみ・疲れやすい・冷え性・胃もたれしやすい・軟便や下痢しやすいなど。
おススメ処方:
「健脾散」(けんぴさん)や「健胃顆粒」(けんいかりゅう)などで胃腸を丈夫にして余分な水分を取り除きましょう。

 

自分の舌のチェック、できましたか?
よく分からないという方はいつでもお問い合わせ下さい。
今回は主に舌の苔の話でしたが、舌には苔の他にも見るポイントがありますので、舌のチェックとともに、お悩みの症状とどう関係しているかなど丁寧にご説明致します。
(*来店前に舌に色がつく飲みものを飲んだり、苔をブラシでとったりしないで下さいね。)

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