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漢方について

第11回 花粉症~ねん膜は続くよ、どこまでも

2009.02.01

 花粉で鼻がグシュグシュ!またいや~な時期です。

 実は、鼻の粘膜をたどると肺や胃腸と地続き。胃腸がくたびれると、その影響を鼻も受けます。漢方では、胃腸が食物から作ったエネルギーを、肺が全身に行き渡らせて粘膜や皮膚を丈夫にしていると考えます。ですから、花粉症の予防には胃腸と肺を強化することが大切です。

 先ずは胃腸をチェック!「普通に食事は食べれます」という方でも、疲れやすい・体が重い・食べると眠くなる・舌の苔が厚い・舌の縁に歯型がある・軟便や便秘・口内炎ができやすいなどの症状がある場合は、胃腸が弱く、このため鼻の粘膜も薄く弱くなっていると考えられます。

①冷えで悪化するタイプ

 胃腸が冷え、水分代謝が悪く、鼻の粘膜がむくんで鼻水があふれます。鍋料理・ショウガ・ネギ・ニラなどで体を温め、余分な水分をためないこと。水もの・刺身・果物など生ものや冷たいもの・味の濃いものを摂り過ぎないようにする。胃腸を強化し、水はけを良くする「香砂六君子湯」(こうしゃりっくんしとう)を使います。

②温まると悪化するタイプ

 胃腸に熱がこもっています。脂っぽいもの・辛いもの・味の濃いものは熱を生み、かゆみや目の充血を悪化させるので控えましょう。睡眠不足も無駄な熱がこもります。熱を取り胃腸を整える「星火温胆湯」(せいかうんたんとう)が良いでしょう。

 次に肺を強化します。皮膚や粘膜を強化する漢方薬として「衛益顆粒」(えいえきかりゅう)があります。ちょっとした気候変化でカゼをひきやすい人にオススメです。

パンダのオマケHP

 もし、すでに花粉症状が出ていてツライ場合には、まず今の症状を改善する薬を使います。

 ■鼻水は透明あるいは白っぽくサラサラしている・涙がでてもネバネバせず、目やにも少ない…体が冷えているタイプ。小青竜湯(しょうせいりゅうとう)などを使います。

 ■鼻水は黄色く粘る・鼻やノドの粘膜が腫れて熱感や痛みを感じる・目の充血やかゆみ・目やにも黄色く粘っこい…体に熱を持ち炎症が激しいタイプ。涼解楽(りょうかいらく)・鼻淵丸(びえんがん)などを使います。

 漢方薬は長く服用しなければならないと思われがちですが、短期間で対処的に使うお薬もあります。こうしたお薬で症状が落ち着いた後に、粘膜や皮膚・免疫力を強化するお薬に切り替えて体質改善をします。

 花粉症の体質改善は、コラムで話したように、粘膜・皮膚を丈夫にして、外からの刺激に負けないようにします。そのためには肺や胃腸を強化が大切です。また、免疫の調節機能を高めるためには、免疫と密接な関わりを持つ「腎」の働きを強化するお薬を使います。

 花粉症のほか、アトピーやぜん息などのアレルギー体質の方は、腎を強化する杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)や参馬補腎丸(じんばほじんがん)などを自分の体質に合わせて服用しましょう。

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