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漢方について

第1回 たかが肩こり、されど肩こり

2008.04.01

 「肩凝り=血行が悪い」というのは皆さんの知るところ。凝る場所が肩というだけで軽くみられがち。でも、脳や心臓が血行不良だったらどうですか?脳凝りで脳梗塞、心臓凝りで心筋梗塞とゾッとします。肩が凝りやすい方は、自分は血行不良の体質と自覚しましょう。

 肩や首は、頭と体をつなぐ架け橋です。肩や首に凝りがあるという事は、首を絞められているのと同じです。放っておくと、慢性的に心臓から脳へ十分な血液が送れなくなり、頭痛・めまい・目の疲れ・耳鳴り・不安感・不眠などが現れます。逆に言えば、肩凝りの治療は、血行不良による症状の改善+病気の予防になります。肩凝りが有ると無いでは大違い!早く治しましょう。

 血行不良の原因は様々ですが、主な原因は2つ。自分で凝る場所を触ってみましょう。

①肩にこぶのようなシコリがある、顔色がくすみやすい

 ドロドロ血液の瘀血(おけつ)タイプ。血液をサラサラにして肩や脳の血流を改善したりするには冠元顆粒(かんげんかりゅう)がお勧めです。

②肩や首に筋張った薄い板が入った感じがする

 血液(潤い)不足タイプ。血液不足で肩や首の筋肉がビーフジャーキーのようなバサバサです。強いマッサージをすると逆に痛めてしまいます。痩せ・めまい・目の疲れ・手足の冷えなどの症状を伴いやすいこのタイプには、血液を補う婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)を併用すると良いでしょう。

 肩凝りは「早く血行を改善して!」という体の訴えです。ちゃんと耳を傾けて下さいね。詳しい内容は、来週更新の当店HPをご覧下さい。

パンダのオマケHP版

 肩や首は、頭と体の架け橋です。肩こりがあるということは、首を絞められているのと同じで、頭(脳)と体の連絡がうまくいきません。放っておくと、以下の2つの関連する症状を引き起こす可能性があります。

 1.十分な血液を頭・顔・脳に供給できない
   頭痛、頭重、めまい、健忘、認知症、目の疲れ、耳鳴、不安感、シミ、くすみ
 2.脳からの命令が全身に伝わらない
   手足のしびれ、悪心・嘔吐、生理不順、動悸、息切れ、自律神経失調症など

 肩凝りは血行不良の病気です。血行不良の原因は様々ですが、主だった原因をタイプ別の表にしました。自分の肩こりはどのタイプかチェックしてみましょう。

タイプ①・・・ドロドロ血液タイプ 瘀血(おけつ)

 ・肩こりの特徴・・・骨のようにコリコリと硬いしこりがある。
 ・その他の症状・・・顔色がくすんでいる
 ・おススメ方剤・・・冠元顆粒など

タイプ②・・・血液不足タイプ 血虚(けっきょ)

 ・肩こりの特徴・・・シコリはあまりない。肩や首に筋張って、薄い板が入ったような感じがする。
 ・その他の症状・・・顔色は白っぽい、手足が冷える、立ちくらみ
 ・おススメ方剤・・・婦宝当帰膠、十全大補湯など

タイプ③・・・体液不足タイプ 陰虚(いんきょ)

 ・肩こりの特徴・・・シコリはあまりない。肩や首に筋張って、薄い板が入ったような感じがする。
 ・その他の症状・・・赤ら顔、手足がほてる、口や喉が渇く
 ・おススメ方剤・・・杞菊地黄丸、天王補心丹など

タイプ④・・・急性冷えタイプ 風寒(ふうかん)

 ・肩こりの特徴・・・冬の寒さ、強い冷房など、体を冷すことにより節々が強張る
 ・その他の症状・・・悪寒、発熱
 ・おススメ方剤・・・葛根湯など

タイプ⑤・・・エネルギー不足タイプ 気虚(ききょ) 陽虚(ようきょ)

 ・肩こりの特徴・・・過労、慢性病、老化などにより慢性的に肩が凝る。
 ・その他の症状・・・動悸、息切れ、疲れやすい
 ・おススメ方剤・・・麦味参顆粒、参馬補腎丸など

タイプ⑥・・・ストレスタイプ 気滞(きたい)

 ・肩こりの特徴・・・緊張やストレスで悪化する肩凝り
 ・その他の症状・・・イライラ、精神抑鬱を伴う
 ・おススメ方剤・・・星火逍遥丸、四逆散など

タイプ①

 ドロドロ血液(瘀血)タイプは、マッサージなどで揉むと緩和するものの、再発を繰り返します。先ず血行不良の原因となるストレス・運動不足・飲食の不摂生など生活・食習慣など見直しましょう。治療は血液をサラサラにして血行を改善すること。冠元顆粒などがお勧めです。

タイプ②

 血液不足とタイプ③の体液不足のタイプは、どちらも潤い不足のタイプ。肩や首の筋肉がビーフジャーキーのようにバサバサです。強すぎたり長すぎるマッサージをうけると、かえって筋肉を痛めてしまいます。治療は血液や体液を補いながら、血行を改善すること。婦宝当帰膠や杞菊地黄丸などタイプ別に潤いを補いながら、冠元顆粒を併用すると良いでしょう。生活では、過労・心労のほか、パソコン・携帯メール・長時間の運転など目の使いすぎを控えましょう。目の酷使は血液を相当に消耗します。また、女性では生理中は血液が不足するので、めまい・頭痛・情緒不安など生じやすくなります。肩こりがあり、目が疲れやすい・生理になると体調が悪い人は、血液を補う必要があります。
 *体液不足とは、血液も含めた人体で正常に機能する組織液が不足する事です。

タイプ④

 冷えによる急性の肩凝りには、寒さを発散する葛根湯を使います。ただし、葛根湯は冷えによる肩凝りの応急手当に過ぎません。慢性の肩凝りには適さないので注意しましょう。

タイプ⑤

 エネルギー不足では血液を力強く全身に送ることはできません。少し動いただけで息切れや動悸がするのは、肺は心臓の機能が低下しています。麦味参顆粒などで肺と心臓を補います。エネルギーが不足すると体を温めることができずに、血行が悪くなることがあります。これは冷え性や低体温の方に多く、参馬補腎丸や双料参茸丸のような熱エネルギーを補うタイプの漢方薬を使います。

タイプ⑥

 ストレスは血液をドロドロにします。またストレスは血管を収縮させるので、二重に血液の流れに影響を与え、瘀血を作ります。若い人の突然死はこのタイプが多いようです。一日にたった数分でも良いですから、リラックスできる時間をつくるようにしましょう。治療には緊張を和らげる星火逍遥丸や四逆散などを、血液サラサラにする冠元顆粒と合わせて使います。

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