午前10時~午後6時30分 日曜・祝日定休

TEL.0256-62-2057

漢方について

第12回(最終回)「チェンジ!の春」には…

2009.03.01

 春は年度始め。卒業・進学・転勤・引越しなど環境が変わり、その準備に忙しい季節です。「あれをしないと…これも片づけないと…」と考えるだけでイヤになって、何にも手付かずなんて事になっていませんか?

 何かが変わるという事は、気分転換にもなり良いのですが、いくつも重なると逆にストレスや不安になります。冬から春の変わり目は気温や気圧の変化も激しい上に、環境の変化も加わるので、人の体は適応するのに大きなストレスを感じます。こうしたストレスを発散する役目をしているのが「肝」です。

 漢方では、季節にはそれぞれ密接な関係をもつ臓器があると考え、春は「肝」の病気が現れやすいとしています。肝は、全身の気を巡らせ、ストレスを発散し、情緒を安定させます。しかし、長くストレスを受け続けると肝も疲れて、気が滅入り、気持ちが塞いでしまいます。肝を補って気分をノビノビさせる「逍遙丸」(しょうようがん)がよく使われます。

 また、肝は血液を貯蔵し全身を栄養しています。仕事で無理をする・睡眠不足・悩み事などは血液を消耗するので、全身の血液不足となります。脳の血液が不足すれば考えられずイライラします。血液不足が顕著な場合は、体や目の疲れ・貧血・めまい・立ちくらみなどを生じます。このような場合には血液を補う「婦宝当帰膠」(ふほうとうきこう)を併せて使います。チェンジの春、肝を養いノビノビ気分で新生活をお迎え下さい。

 連載は今回で最終回です。今後はホームページをご覧下さい。1年間のご愛読、ありがとうございました。

こちらのコラムもオススメ