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vol3 冬号「男性更年期」ひょっとして?~対策編

2010.01.01

老化と関わる「腎」

 前回、男性にも更年期障害はある事、そして男性は8の倍数の年齢で体の変化が訪れる事を紹介しました。今回はその対策です。

更年期対策 漢方では、40歳頃から「腎」(じん)の働きが衰えてくるため、身体の老化とともにホルモンの低下による更年期の症状が現れると考えます。漢方でいう「腎」とは、腎臓・膀胱のほか、副腎・生殖器などのホルモン器官も含みます。腎は人の発育成長と老化をつかさどると言われ、脳・骨髄・骨・歯・耳・目・髪の毛・足腰・大小便・生殖器などに関係します。いわゆる更年期や、ボケや物忘れ、不安感、焦燥感、骨粗鬆症、歯や歯茎の症状、難聴、耳鳴り、老眼、涙目、白髪や薄毛、足腰が弱ったり痛んだり、オシッコやお通じの不調、精力減退などなど・・・これらは全て腎の衰えによると考えられています。

腎を補って老化スピードをゆるやかに!

 そこで腎の働きを補う補腎薬(ほじんやく)の出番です。補腎薬は男性・女性に関わらず、西洋医学でホルモン剤を使う更年期障害や不妊症などの治療によく使われます。補腎薬のタイプは大きく分けて2つあり、自分の体質に合うものを使います。

①体が冷えるタイプ

 寒がりで手足や腰の冷えが強い・むくみやすく、夜中に何度もトイレに起きる・下痢や軟便気味には・・・参馬補腎丸(じんばほじんがん)、海馬補腎丸(かいまほじんがん)などを使います。

②体がほてるタイプ

 手足がほてる・口が渇き、水分が欲しくなる・頻尿・目の疲れ、ドライアイ・のぼせ・イライラ・便秘・寝汗には・・・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)などを使います。

食養生は必須!ストレスも上手に発散しましょう

 メタボになりやすい高糖質・高タンパク・高脂肪の食べ物、冷たいもの・アルコールは消化管に負担をかけるので、体中にベタベタと余分な水分や熱がたまり、加齢臭・頭痛・腰やヒザの痛み・下半身の疲れ・不眠・ED(勃起不全)などの原因にもなります。

更年期対策

 ストレスを溜めこむのもいけません。働き盛りの40・50代はストレスの多い世代。ストレスは憂うつな気分にさせるだけでなく、ホルモンの分泌にも影響を与えたり、血液をドロドロにしたりして代謝の低下を招き体調を悪化させます。食事に気をつけ、を心がけましょう。それでもうまくいかない場合には、お手伝いをする漢方薬もありますのでご相談ください。

 更年期は、壮年期から老年期に向かう準備期間です。歳を重ねることは自然なことですから止めることは出来ません。でも、この時期に養生すれば、老化のスピードをゆるやかにして生活の質を保つことが出来ます。中国医学では「抗老防衰」・「老いても衰えず」という考え方があります。この知恵を活かして更年期と上手く付き合いましょう。

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